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巨大書店のビジネスモデルは流行するのか?

「コーチャンフォー」とは聞き慣れない名前ですが、これから話題になるかもしれない巨大書店のビジネスモデルです。今回はBtoBから離れて、書店というBtoCの代表的なモデルについて考察します。

コーチャンフォーは北海道で展開してきたお店です。地方初のビジネスモデルは名古屋のコメダ珈琲など面白いものが多く注目しています。コーチャンフォーは北海道以外の出店は初めてで、2014年10月に東京都稲城市の若葉台に進出しました。若葉台は多摩ニュータウンの近くで、同じようにたくさんの大型マンションが建ち並ぶ地域です。比較的若い世帯が多く、新宿から京王線で30分ほどのベッドタウンです。オープン前にあまり派手な宣伝はしていなかったのですが、新聞のエリア版の15段を使って広告をしていました。それが少し不思議な内容で、何屋がオープンするのかわからない内容でした。逆に気になったので、早速行ってきました。

■驚き!の広さと品揃え

ニュータウンの幹線道路を横に入ると、穏やかな丘陵地にマンションやホームセンターが立ち並んでいます。どこにでもある郊外の風景です。この辺りでは珍しい有料の駐車場に停めて、中に入ると驚く程に巨大な空間です。野球場が一つ丸ごと入るぐらいの広さです。ワンフロアーに書籍、文具、音楽、カフェが展開されていて、端から端は霞んで見える程の距離があります。200メートルぐらいは離れているのではないでしょうか。


出典 http://www.coachandfour-wakabadai.jp/

最近では、書籍の買い物はAmazonにすっかり慣れてしまったので、ここまで大量な本を目の前に見るのはとても楽しくワクワクします。普段は手に取らないような本も、平置きでディスプレーされていると興味が惹かれます。お洒落さには欠けますが、白を基調にした明るいレイアウトで、書棚の高さも抑えられて全体に開放感があります。これで座って読めるスペースがあれば最高だと思います。

出典 http://www.coachandfour-wakabadai.jp/

コーチャンフォーで感動したのが文具売り場です。書籍と同じぐらいの広さで文具エリアが広がっています。文具と言っても日常のものよりも、背伸びしたブランドが大量に並んでいます。モレスキン、ITOYA、鳩居堂など高級路線です。デパートの文具売り場よりも、遥かに充実した品揃えには圧巻です。

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音楽エリアは普通です。カフェにはドトールが入っていて、ノーマルなドトールよりはリッチですが、フードコートのような垢抜けない空間です。

訪れたのは平日の昼前でした。客層は30~50歳代の女性が中心で、オープン直後の見物やおしゃべりでの2~3人のグループが多かったです。小さな子供もいましたが、書籍がまだ早いのか退屈している様子が見受けられました。

■ユニークなビジネスモデル
  1. 土地の安いエリアに出店
  2. 巨大な売り場で圧倒的な品揃え
  3. 憧れの高級文具や商品で収益化(書籍単体では成り立たないのでは?!)
雪が多くて寒く、クルマ移動が中心な北海道らしいモデルです。多摩地域では書店といえば、駅前の小型店舗ばかりで、品揃えも良くありません。クルマを停めてゆっくり見られるようなお店はありません。横浜や埼玉の郊外のベッドタウン、集客が見込める商圏がある地方都市で展開できるモデルです。家電、スーパー、ディスカウントストアー、パチンコなど変わり映えしないお店ばかりになってしまった街には歓迎される文化の香りがあります。

■もっとワクワクするために、お店作り=文化作り=ワクワク作り

反面、気になったのは全体を通して、広さや品揃え以上の工夫がないことです。売り場のレイアウトが「巨大な書店」といったレベルを超えていません。スタッフはしっかりしているけれど普通。というか、少し古めかしい。来店前は、郊外ならではの文化創成を期待したのですが、それはありませんでした。都心に行かないと触れることができない商品は充実していますが、そこ止まりでニトリやイオンの本屋版といった印象が拭えません。特に、TSUTAYAの六本木や代官山に慣れてしまうと、その魅力の差は歴然です。

類似のビジネスモデルが並び、ソーシャルな消費行動がされる今日では、極端な特徴付けが必要です。特徴とはそこでお客ができる「ワクワクする体験」と、それを成長発展させる場の仕掛け作りです。それがあると、お客は単なる消費者ではなくファンになります。ファンは継続的に利益に貢献してくれて、周囲にも広げてくれ、場の空気や文化を一緒に育ててくれるかけがえの無いパートナーになってくれます。

■例えば、こんな特徴のあるお店があります。

IKEA: お店全体が回遊型のショールーム。お客は自分の部屋に当てはめて楽しい体験ができる。

コストコ: 巨大な倉庫の中を歩き回り、普通のスーパーには無いホールセールを楽しむ体験ができる。

TSUTAYA代官山: センスの良い品揃えとゆったりとした常識を超えるラグジュアリな体験ができる。本屋なのにバーがある!

アバクロ: 商品が見えづらいぐらいに店内が暗い、大爆音の中で店員が踊ってる。半裸のセクシーなイケメンと写真が撮れる。

当然好き嫌いはありますがこれらは圧倒的な特徴があり、お客はファンになります。お金を掛ければできるものでもないし、都会的で最先端であれば良いというものでもありません。その地域の人々の嗜好を刺激して、その人たちの想像を超えるものでなければなりません。

■こんな書店があったら嬉しい

コーチャンフォーで、あったら楽しい特徴つけとしては、

・趣味の教室を併設する。クラフト工芸、料理教室、写真教室など近隣住民が興味を持つ体験型の仕掛け作り。平日も休日も昼も夜も来店する習慣付けをする。

・wifiを飛ばしてワーキングエリアを作る。高級文具やデスク、チェアーなんかも楽しめる。ファーストクラスラウンジのような雰囲気で月額制。近隣のSOHOワーカーや土日の知識チャージに最適。

・カフェに花屋を併設して花と緑のエリアを作る。まるで温室のような超日常空間の中でのティータイム

・トイレが馬鹿みたいに立派、などなど

「あそこに行くと、日常生活から解き放たれて、何だかワクワクするよね」 それが語り草になります。「お店作り=文化作り=ワクワク作り」がこれからのお店作りのキーワードです。

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